初めに闇があった

初めに闇があった

ある失明者の聖書との対話

ジョン・M・ハル / 土屋澄男訳
本体価格:2,400円(10%税込定価: 2,640円)

サイズ:四六判 254ページ
ISBN:978-4-400-41991-4
発行年月:2008/08/08

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内容紹介

聖書には「光」と「闇」などの比喩が多く用いられ、また盲人のエピソードもたくさん登場するが、そもそも盲目という障害に対して、聖書は何を語っているだろうか?
48歳で中途失明した神学者が聖書を読み直し、そこから聴き取ったメッセージとは。
障害者の思いと経験を、聖書への独自のアプローチから見えてくるものと重ね合わせながら綴る。

【著者について】
ジョン・M・ハル(John M. Hull)は1935年、オーストラリアで生まれる。父はメソジストの牧師、母は教師だった。メルボルン大学を経てケンブリッジ大学で神学を学ぶ。中高の宗教科の教師を務めた後、バーミンガム大学に移り、宗教教育学を講じて定年に至る。13歳で眼病を患って弱視となり、48歳で完全に失明した。この中途失明の経験と感覚を神学的に考察した『光と闇を越えて』は話題となった(松川成夫訳、新教出版社)。

【訳者について】
土屋澄男(つちや・すみお)氏は1930年生まれ。東京教育大学卒業。元文教大学教授。元財団法人語学教育研究所理事長。英語教育に関する多数の論文と著書がある。訳書としてカレブ・ガデーニョ『赤ん坊の宇宙』(リーベル出版)、『子どもの「学びパワー」を掘り起こせ』(茅ヶ崎出版)、エドウィン・ロバートソン『ウィクリフ』(新教出版社)など。

【目次から】
序 章 はじめに闇があった

第1章 聖書の人々 (その1 旧約)
イサクとヤコブ――盲目と欺きサムソン――盲目と女性/エリ――盲目と司祭/アヒヤ――盲目と預言/ゼデキヤ――ユダ最後の盲目の王/トビト――盲目と家庭生活

第2章 聖書の人々 (その2 新約)
マタイの福音書――二人の無名の盲人/マルコの福音書――ベツサイダの盲人/バルテマイ――盲目と貧困/ヨハネの福音書――生まれつきの盲目/パウロ――否定される盲目/魔術師エルマ――罰としての盲目

第3章 目の見える人の聖書/目の見える神
聖書は目の見える人によって書かれた/障害物としての盲目/神は目が見える/視覚的まぼろし/蛇を見なければならなかった/星を見る/鳥やパンを感じとる/パウロは視力不完全者だったか/視覚と性

第4章 隠喩と逆説
隠喩としての盲目/ジョークとしての盲目/目が見える人たちの盲目――エリシャと兵士たち/ハンナの祈り/受け入れることによって癒し、変える/回復か受容か――盲目に対する二つの方策/消えると知る/知ると消える/絶望の盲目と希望の盲目――エマオの途上/手と目

第5章 盲目の悲しみと苦しみ
盲目の悲しみ/自分の体の中に葬られる/盲人の苦しみ

第6章 盲目の聖書/盲目の神
光と闇を超えて――神の視点と人間の視点/神は盲目/エリヤと天使――触れられることのすばらしさ/視力不完全者への神のまぼろし/良い羊飼いの声/信仰の模範としての盲目/トマス――盲目の幸い 

第7章 イエス
イエス――顔と名前/目の見える預言者イエス/触れることが好きなイエス/侮辱語としての「盲目」/目隠しをされたイエス/イエスの怒り

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