カッパドキア教父
カッパドキア教父
キリスト教とヘレニズムの遺産
アンソニー・メレディス著、津田謙治訳
本体価格:2,900円(10%税込定価:
3,190円)
サイズ:四六判
254ページ
ISBN:978-4-400-22753-3 C1016
発行年月:2011/04/19
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内容紹介
本書は大バシレイオス、ナジアンゾスのグレゴリオス、ニュッサのグレゴリオスという、四世紀の後半に活躍した三人の教父を、生涯、実践的生活、思想という視点から丁寧に解説している。著者の議論は入門書を目指して進められているが、思想の分析では徹底的に議論を掘り下げ、プラトンやオリゲネスがカッパドキア教父に与えた影響や、特にニュッサのグレゴリオスの『モーセの生涯』に関する考察は専門書と比較しても引けを取らない。アレクサンドリアのフィロンが同名で記した『モーセの生涯』との比較検討に始まり、難解な神秘主義的神学を聖書の記述やプラトン主義的な視点から十全に解説している。三教父の原典に触れようとする研究者にとっても、本書は再読・三読に耐える名著である。
【目次より】
1 背 景
1・1 カッパドキアの地理的及び歴史的状況
1・2 カッパドキアのキリスト教
1・3 コンスタンティヌス帝の回心
2 カッパドキア神学の起源
2・1 プラトン
2・2 オリゲネス
3 カイサレイアのバシレイオス
序 論
3・1 生涯
3・2 修道院生活
3・3 教理と霊的な生
3・4 結 論
4 ナジアンゾスのグレゴリオス
4・1 家族と生涯
4・2 書簡の人、神学者
4・3 霊 性
4・4 結 び
5 ニュッサのグレゴリオス
5・1 生涯と作品
5・2 霊的修養 ―― オリゲネスの影響
5・3 エウノミオスへの反応
5・4 モーセの生涯
5・5 雅歌講話
5・6 教義神学
6 カッパドキア教父の功績
6・1 カッパドキア教父と三位一体論
6・2 カッパドキア教父とキリストの人性
6・3 カッパドキア教父とヘレニズム
結 び
著者Anthony Meredithは、1973年から92年までオックスフォードの神学部に所属する傍ら、ヘイスロップ・カレッジでも教鞭を執った。これまでに初期キリスト教や教父に関する著作をいくつか出版しており、中でも初期キリスト教父叢書の『ニュッサのグレゴリオス』(1999年)などが有名である。イエズス会士。