カルヴァン 歴史を生きた改革者
カルヴァン 歴史を生きた改革者
1509-1564
ベルナール・コットレ著 出村 彰訳
本体価格:5,900円(10%税込定価:
6,490円)
サイズ:A5判
564ページ
ISBN:978-4-400-22121-0
発行年月:2008/07/10
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内容紹介
カルヴァンとは誰だったのか?膨大な資料を駆使して、カルヴァンの人となりと思想を可能な限り正確に描き出すと同時に、その業績、その意義を当時のヨーロッパの政治的・精神史的な広い視野のもとに位置づける。宗教改革に新たな神学上の貢献を果たしたというに留まらず、それ以降の西欧世界に決定的な影響を及ぼした人物として、その存在を浮き彫りにする。(仏語版原著1995年。英訳、独訳もある。)著者ベルナール・コットレは、ベルサイユ・サン・カンタン大学教授。16世紀から18世紀にかけてのフランスおよびイギリスの政治史、宗教史を専門とし、クロムウェルの評伝をはじめ多数の著書がある。
【目次から】
フランス語版序文
英語版序文
カルヴァン伝の多様性
強さと脆さ
独裁者でもファンダメンタリストでもないカルヴァン
第一部 改革者の幼少期
第一章 一五〇九年七月一〇日
生誕の日、天においては
生まれ故郷ノワヨン
学寮生活――ラ・マルシュからモンテーギュへ
カルヴァンは司祭にはならない
第二章 巨人の肩の上の小人
人文主義――不分明な遺産
ルネサンス
改革から宗教改革へ
ルターからカルヴァンへ
宗教改革の比較研究へ向けて
フランソワ様――フランスのすべて
プロテスタント宗教改革は文化の露呈者だったのか
第三章 一五三〇年
フランス人文主義の混迷と光輝
一五三〇年――フランス福音主義
セネカ『寛仁について』、一五三二年
回心体験――一五三二―一五三三年
回心物語の解釈
第四章 最も厭うべき教皇派のミサ
ニコラ・コップ演説、一五三三年一一月一日
『魂の眠り』一五三四年
檄文事件 ――一五三四年
第五章 イエス・キリストを愛する者
世界の書
聖書のヨーロッパ
オリヴェタン聖書、一五三五年
「出て行け」
第二部 形成と抵抗
第六章 バーゼルからジュネーヴへ
辺境から逃れの町へ
『キリスト教綱要』初版(一五三六年)
カルヴァンが見たジュネーヴ
ジュネーヴ着任
ロザンヌ討論――一五三六年一〇月から一五三七年五月まで
一五三七年の信仰告白と教会規定条項
ジュネーヴ退去――一五三八年四月
第七章 ジュネーヴかストラスブールか
ファレルからブツァーへ、老練な政治家
カルヴァンはロビンソン・クルーソーだったのか。カルヴァンの異常な「召命
感」
結婚の祝福
カルヴァンはカルヴァン主義者か。ローマの信徒への手紙注解
ジュネーヴとの関係継続
「枢機卿倪下、ご挨拶をおくります」――サドレトへの手紙
第八章 ジュネーヴは神の都か
世紀の半ばの年月
活発な変化の町
固有の制度
モーセとアロン 一五四一年の「教会規定」
一五四二年の信仰問答
一五四三年の「詩編歌唱詠」――包囲された砦
カルヴァン主義の土着化
疫病の蔓延
第九章 陰鬱な歳月
別離と囁き
呪われたフランス人
アミ・ペラン
高まる危険 一五五二年―一五五五年
『躓きについて』
第一〇章 異端者たちの航跡
ボルセク、セルヴェトゥス、カステリョ
ボルセクと「糞ったれの予定論」
聖セルヴェトゥス、異端の殉教者(一五五三年)
セルヴェトゥスの火刑
カステリョ
第一一章 あなたのみに栄光あれ
カルヴァンからカルヴァン主義へ
流浪と王国
殉教および不可能な和解
ジュネーヴのカルヴァン
ジュネーヴにおける教育
病苦と逝去(一五六四年五月二七日)
第三部 カルヴァンの神学思想
第一二章 論争家としてのカルヴァン
信条的形成
偽りの信仰者とまことの偽善者。「ニコデモの徒」
再洗礼派とリベルタン
偶像崇拝と合理主義
ピュリタンへの道?
第一三章 説教者としてのカルヴァン
時宜的説教
説教のすべについて
聖書研究集会
世界の美しさと神の偉大さ
自然の支配者また所有者としての人間
第一四章 『キリスト教綱要』
自己認識
律法
信仰、信念、信頼
余分に持ち、余分に知ること――予定論
教会人としてのカルヴァン
第一五章 フランス語著作者としてのカルヴァン
カルヴァンとモンテーニュ
カルヴァンは人文主義者だったのか
神をして神たらしめよ
啓示の文法
結 論
聖ルター、聖カルヴァン、聖ジャンセニウス
改革者カルヴァン
信仰の歴史
付 録
付録 I カルヴァンの青年時代
付録 II フランスの大学組織
付録 III 小参事会
付録 IV フランスにおけるカルヴァン主義の確立年表
付録 V 国王側による圧伏年表
付録 VI 「ソルボンヌ令書」(一五四三)
付録 VII カルヴァン説教年代(ストーフェルの学位論文から)
訳者あとがき
人名索引
注
文献表