福音と世界 2008年10月号
内容紹介
キングならどうするか?
キングが今のアメリカについて何と言うかは分からないが、恐らく彼は涙するのではないかと思う。まず、彼は子どもために嘆くだろう。21%の子どもが貧困の中にあえいでいるということを嘆くだろう。一方、アメリカは、経済成長、より躍動的な経済のことばかり気にしてきた。そう、成長は重要であり必要であり、国の威信にとって十分条件かもしれない。しかし、人種に関係なく21%の子どもたちが貧しさの中にある国が偉大になれるわけがない。アメリカは成長、強大さ、富裕に捕らわれている。いつになったらアメリカは成熟するのだろうか。40%の黒人の同胞、40%のヒスパニック系の同胞が貧困の中に生きている。そして先住民族のこと、彼らの尊い赤ん坊のことも決して忘れてはいけない。彼らの土地の上にこそ、アメリカの民主主義が建て上げられたのではないだろうか。そういうことを言うと、PC(ポリティカル・コレクトネス)が云々と言い出すかもしれないが、犠牲を払わなければならなかった人々のことを我々は語っているのであり、キングはPCとかいうことを持ち出して、その苦しみを矮小化したり隠したりすることは決してしなかった。彼は、そういう安っぽい、人々の苦しみを見過ごすようなやり方を見破らなければならないと言うだろう。